夫婦間の コミュニケーション どうしてる?

不妊治療中、夫婦間のコミュニケーションはどうとっていますか?
男性4人にご登場いただき、夫側のふだんの思いを本音で語り合っていただきました。

参加者プロフィール

taroさん(37 歳、医療系営業職)4年前から不妊治療開始。2022 年、体外受精で陽性となり23 年2 月に第一子誕生。一度流産を経験。精子を増やすため精索静脈瘤の手術経験もあり。
チロさん(49 歳、会社員)2018 年に結婚。早い段階から不妊治療を開始。20 年に授かったものの14 週で流産。現在も体外受精で治療継続中。
どさんこうまんちゅさん(36 歳、競走馬の育成)2019 年に結婚。妻に子宮内膜症があったのですぐに治療開始。21 年に8週で流産、22 年1 月、体外受精で妊娠し、10 月に女児誕生。
ボムさん(39 歳、清掃業)不妊治療歴は2年。タイミング法(3回)、体外受精、顕微授精合わせて7回採卵し移植は2回。2023 年6 月に第1子誕生。

まず最初に夫婦間のコミュニケーションはうまくいっていると思うかどうか聞かせてください。

ボムさん お互いに言いたいことを相手に伝え合えているからうまくいっているほうだと思います。ただ、うまくいかない時もありますが……。
チロさん 妻は自由闊達な人で、わりと二人でよく喋っています。でも不妊治療に関してはセンシティブなものがあるので正直難しい。もしかしたら僕の気づかないところで、妻は一人悩んでることもあるのかなと。だから妊活の話題になると言葉を選びながらというところはありますね。
taroさん いろいろ話すようにしています。治療はどうしても男性が疎くなりがち。なるべくネットで情報収集するようにしていますね。どさんこうまんちゅさん 僕なんて治療を始めた頃はまさに“疎さの塊”。タイミングですぐにできると思いきや、なかなかできなくて。なめてました。妻はもっと深刻に考えていて彼女の頑張りによって意識を引き上げてもらった気がします。コミュニケーションも妻に情報発信してもらい、僕がしっかり話についていくような感じです。

では治療中、よかれと思ってしたことや声をかけたことが裏目に出た経験を教えてください。

どさんこうまんちゅさん タイミングをとる時、自分の感情よりも妻に気を遣いすぎて、すべてを委ねてしまったことがあったんです。妻は丸投げされたような感覚になり、逆にストレスを与えてしまったことが1回ありましたね。
チロさん 僕は体外受精がうまくいかなかった時に「しゃーないやん、次があるよ」とつい言ってしまって。もちろん次を考えなくてはいけないのですが、まずはその時の彼女の頑張りに対して労いの言葉をかけるべきだったなと反省しました。
ボムさん 僕も移植結果が陰性の時、帰りの車内で慰めるつもりで「仕方ないね」と声をかけたら逆鱗に触れ、「私のつらさはわからないよね」と一喝され、大泣きされて無言で1時間ほど重い空気で帰ってきたことがあります。気を遣って言ったつもりなのに……。言葉がけは難しいですね。

確かに。では、コミュニケーションを円滑にするため、気をつけていること、奥様の本音を聞くために工夫されたりしていることはありますか?

taroさん 結果が出なくても急かしたりプレッシャーをかけるようなことは言わないと決めていました。子どもができなくても夫婦で楽しく生きていくという未来もあるよといったニュアンスのことも伝えるようにしていました。
どさんこうまんちゅさん 先ほど話したように気を遣いすぎて傷つけてしまってからは、自分の気持ちを伝えることにしています。そもそも不妊治療に対して僕はどう思っているのか、今後どうしたいのか。こちらも真剣に取り組んでいるとわかってもらいたいから。
チロさん 僕は薬の名前や治療法が難しくて何度聞いてもなかなか覚えられなくて話に全然ついていけないこともあるんです。どのレベルまで理解したらいいのかもわからないのですが、真剣に向き合うためにも会話の時間を多くもつようにしています。それが一番大切かなと。
taroさん 確かに専門用語が多くて僕の理解度が足らないがゆえに真剣に考えていないと思わせてしまったことはありますね。どさんこうまんちゅさん ただ、僕らは女性の体にはなれない。だからこそ、その時々に応じて知識を身につけ話についていく。それが妻を一人にさせないということになるのかなと。常に彼女を心配していることも伝えるよう心がけていました。
taroさん 女性は体の面で負担が大きく精神的にもつらいことが多い。とはいえ、本当に代わることはできないので、僕もできる限り寄り添うよう心がけていました。治療中は体調に合わせて気分転換に出かけたり、ダメだった時は美味しいものを食べに行ったり。一泊旅行に出かけたり。そういったリカバリー的な部分でのコミュニケーションは大事にしていましたね。
どさんこうまんちゅさん 旅行などで環境を変えるとお互いの本音が出てきますからい
いですね。

みなさん優しいですね。ただ、女性側からは男性は解決法や対策ばかり考える、もうちょっと気持ちに寄り添ってほしいという意見も多いです。

どさんこうまんちゅさん そうなんですよね。特に僕は理系というのもあり、先に答えを求めがち。だから不妊治療中は「結果を求めない」「答えを求めない」と自分に言い聞かせ、妻の話をただ聞くということをかなり意識していました。
チロさん 僕も理系です(笑)。だからなぜこの治療をするのか、結果が出ないのはなぜかと原因を知りたいのですが、僕も追求はしないで妻の話を聞くことに徹するようにしていました。ただ、次の方針を決める時は治療方針を真剣に聞いて、妻と話し合いながら決めていくようにはしました。
taroさん 僕も理系なので同じです。ただ、不妊治療自体も多分正解がないんですよね。治療や薬の合う合わないもあるし、運的な要素も大きい気がしています。

貴重なお話をありがとうございました。最後にジネコ初の男性座談会の感想を!

チロさん 男性同士でこういう話ができる場は今までなかったのですごく良い機会をいただけてよかった。緊張したけど楽しかったです。
taroさん みなさんのお話から、妻への接し方についても勉強させてもらえました。男性同士で不妊について語り合える場があれば、男性陣の不妊治療への理解も深まるはず。もっとこういう機会があってもいいのになって思いました。
どさんこうまんちゅさん 不妊治療を男性同士で話すことがこれまでなかったので、すごくいい刺激をもらいました。むしろこういうコミュニティーがないのが寂しいなと感じました。
みなさん、ありがとうございました。
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