資格というと硬いイメージを持たれがちですが、さまざまな資格・検定があり、バラエティ豊か。しっかり勉
強しないと取れない資格もありますが、楽しみながら取得できる資格も実はたくさんあります。現在、800 以
上の資格を持つ資格コンサルタント、鈴木秀明さんに資格取得の魅力、おもしろさについてうかがいました。
知らない世界の資格が視野を広げてくれる
資格を数多く取るようになったのはなぜですか?
鈴木さん●大学時代、今でいうYouTuberの「●●をやってみた」のノリで手当たり次第、資格を受けて、その顛末を書く企画をサークルの機関誌上で行っていたのがきっかけです。当時、進路に迷っていたので、可能性の幅を広げたかったのもあります。でも続けるうちにどっぷり資格そのものにハマりました。
そこまで惹かれる資格取得のおもしろさとは?
鈴木さん●未知の世界のことを知ることができるところです。本当に新鮮な驚きがたくさんあるんです。たとえば、最近はご当地検定をよく受けているのですが、見知らぬ土地だけど、この歴史上の人物の出身地だったと知ったり、あまりポピュラーな地域ではないけど、意外に環境問題では先駆的な取り組みをしているんだとわかったり。そういう新たな発見がおもしろいですね。
気分転換に資格取得を楽しもう
資格と聞くと「難しい」「硬い」というイメージがありますが。
鈴木さん●確かに昔は国家資格、もしくは仕事につながる知識やスキルを身につけるためのものが多かったです。でも、今はものすごく多様化しています。先ほどお話ししたご当地検定だけでなく、食や健康、趣味、歴史など趣味性が高いものが増えてきています。
印象に残っているユニークな資格をいくつか教えてください。
鈴木さん●「涙ソムリエ」といって、能動的に涙を流すことで心のデトックスを図る活動、「涙活」のスペシャリストを認定する資格があります。1時間半のWeb講座を受講するだけで取得できます。「納豆真打検定」は出題がバリエーション豊か。私が受験した時は、納豆の匂いを克服するオリジナル納豆レシピを考える問題が出ました。「サウナ・スパ健康アドバイザー」は、サウナやお風呂の活用法がわかるだけでなく、合格者は協賛店のサウナを割引利用できる特典付きです。ほかにはネーミングがユニークな「筋肉のこと知ってますか?検定」なんていうのもありますよ。
おもしろい資格はいろいろありそうですね。では最後に、資格選びのポイントを教えてください。
鈴木さん●将来役立てたいのであれば、自分の目的に合った資格をチョイスしてください。逆にあえて普段の生活とはかけ離れた資格を目標にして勉強してみるのもおすすめです。ちなみに私が今注目しているのは、「モンゴル語検定」。今までふれてこなかったジャンルにこそ新しい発見があるものですし、気晴らし目的にも有効です。資格を目指している時間が気分転換やリフレッシュになればいいと思います。最近はコロナ禍でオンラインで受験できるものも随分増えていますし、勉強にそれほど時間をかけなくてもOKのものも多いです。ぜひ気軽に挑戦してみてください。
資格を取得する6つのメリット
1. 法的効果
その資格を持っていないと特定の仕事に就けない国家資格。弁護士、気象予報士、看護師などがあります。難易度は高いですが、働くうえで一生役立つこと間違いナシです。
2. シグナリング効果
自分の得意やスキルのレベルを明確に示せます。日商簿記検定、実用英語技能検定など履歴書に書ける資格のほか、意外な資格を持っていることで自分の違う面をアピールできます。
3. コミュニティ効果
資格を主宰する団体によっては合格者だけが参加できる交流イベントを実施しています。趣味性の強い検定に多いので、同じ趣味を持つ人とのネットワークができます。
4. 学びの効果
資格の勉強をすれば大なり小なり新たな知識を得ることができます。すぐ役立たなくても将来、何かしらの形で生きてくるはず。取って無駄な資格は一つもないと思います。
5. 経済的な効果
ご当地検定や食べ物分野の検定などには、合格すると提携している施設や店舗で割引や限定グッズ進呈といった特典が得られるものがあります。割引サービスはうれしいですよね。
6. メンタル的な効果
資格取得という目標を達成したことで自信がつき、前向きな気持ちになれます。まったく初めての資格への挑戦は、新たな知識の習得だけでなく、自分の成長にもつながります。